@article{oai:tokyo-ondai.repo.nii.ac.jp:00000763, author = {岡部, 正博}, journal = {研究紀要}, month = {Dec}, note = {P(論文), 筆者は, 音楽専攻別に於ける手指に注目し, 左右各関節角度の可動範囲特性や形態学的特徴並びに基礎体力を計測し, 音楽専攻別, さらに楽器未経験者との比較から次の如き結論を得た。1) 手根挙側屈曲度は, 音楽群・コントロール群共に左手の関節が高値を示し, 且, 音楽群はコントロール群に比し3.34°, 5%水準で有意に高値を示した。手根背側屈曲度並びに手根内転尺側・手根外転橈側は, コントロール群の方が高値を示し, 楽器を演奏することにより挙側屈曲度が増加する傾向が認められた。2) 指関節はホルン科が音楽群の中で最も低値を示したが, コントロール群に比し高値であった。音楽群とコントロール群の左右平均値の比較では, 音楽群がコントロール群に比し右指関節3.87°左手指関節3.08°高値を示し, 楽器を演奏することにより指関節が柔らかくなる傾向が認められた。3) 指間角度は母指-示指間で最も高値を示し, 中指-薬指間が最低値であった。これは被検者に共通して認められる傾向であった。音楽群はコントロール群に比し, 左手示指-中指間以外は全て高値を示し, 中でもピ演・ピアノ科は他の専攻から比べても高く, 楽器を演奏する上に於いて, 且, ピアノを演奏する技術の上に於いて, 最も重要な要素を占めることが認められた。尚, ホルンは左手小指に掛けて保持する為, ピアノ科に次いで薬指-小指間が高値を示した。4) 背側屈曲度は, 音楽群・コントロール群共に示指が最も高値を示し, 逆に最低値は薬指であった。その薬指に於いてもピ演・ピアノ科は音楽群の中でも高値を示し, 指間角度同様に関節に柔軟性を持っているということから, ピアノの技術に多大な影響を与える指ではないかと推察出来る。5) 手長, 指長 (中指) に於いて, ピ演・ピアノ科は, 母指-小指間の指間角度が高値であることから, 手長 (母指から小指間) も広い。6) 専攻別握力はホルン科が最も強く, 木管が最も弱かった。ピンチ力は個人差があり標準偏差も高いが, 最も強い指は母指で小指が最も弱かった。専攻別では, ピ演・ピアノ科に於いて右手薬指が他の音楽群の中でも強く, 関節の可動範囲特性からも強くて柔軟性を持っている指であることが認められた。また, ヴァイオリン科は左手で弦を強く押さえる為か, 音楽群の中で最も左手のピンチ力が強かった。7) 指関節角度・指間角度・背側屈曲度は, 左手の方が柔軟性があるが, 握力・ピンチ力は右手の方が強かった。これは全被検者に共通した。8) ピ演・ピアノ科の今回の実験での差は, 手根挙側・背側屈曲, 手根内・外転に於いてピ演が高値を示したが, 指間角度・背側屈曲度はピアノ科の方が僅かながら高値を示し, 握力・ピンチ力に至ってはピ演の方が音楽群の平均値よりも低値であった。よって, ピアノの技術差は関節角度の可動範囲特性や形態学的特徴並びに基礎体力だけでは判断出来ないところに起因すると思われる。尚, 今回の被検者ピ演・ピアノ科は経験年数に差はなく共に上達者と考えられることから, 今後の課題として経験年数の差によるデータ比較の検討が必要であると思われる。本稿を終えるに当たり, 被検者として御協力戴いた諸学生に感謝致します。}, pages = {93--114}, title = {音楽専攻別における手指の形態学的・体力学的検討}, volume = {20}, year = {1996} }